多くのAIベンダーの提案を、どう評価するべき?:最適な提携先を見つけるための総合ガイド

デジタル時代の急速な変化において、人工知能(AI)は変革をもたらし、注目を集めています。経営者には、効率的に、ワークフローを革新し、競争優位性を維持するためビジネス方針を再定義する時が迫っています。しかし、多くのAIベンダーの新規参入やさまざまなソリューションの提供より、自社に最適なベンダーを選ぶことが困難となっています。

 

各Aiベンダーからの提案が殺到し、どう評価し、選定すべきか判断が難しいでしょう。経営者は選択肢の迷宮に迷い込んでしまい、混乱と不快感を感じているのではないでしょうか。

自社戦略に最適なベンダーをみつけ、自社導入の決断をどのように下せばよいのでしょうか?”

 

この記事では、DX戦略の重要な分岐点に立つ経営者のみなさんの疑念を晴らすことを目的とし、AIベンダー選定に関するポイントを詳しく紹介します。

1. 明確な目標定義

AI導入を成功させるには明確な目的が極めて重要です。小売企業であれば、顧客別のニーズに合う提案をし、顧客獲得率を20%向上を目標設定とするならばば、これは単に「顧客体験を向上させる」という漠然とした目標とは明らかに異なります。後者は曖昧な目標設定のために、ベンダー選定が難航する可能性があります。

2. 総合的なチェックリストを作成する

各部門の関係者や専門家と協力し、AIソリューションに不可欠な機能、性能、技術的条件を明確にします。これらの基準が自社のビジネスニーズと戦略目標を反映しているかを確認し、自社独自の要件と関連性をベースにベンダーの優先順位をつけます。その後、選出されたベンダーの統合能力、拡張性、セキュリティシステム、各ベンダー評判、カスタマーサポート、コストを検討します。

3. クロスファンクショナルチームを活用する

 IT、法務、財務、エンドユーザー部門を含む、多様な選考委員会を立ち上げましょう。また、熟練したファシリテーターやプロジェクト・マネージャーに審査を監督させ、あらゆる意見を包括的に反映できる環境も整えます。この担当者は、AI技術に精通した優れたコミュニケーション能力を持っていることが望ましいでしょう。

4. 公平かつ徹底的な審査を行う

各ベンダーの提案を客観的に評価するための採点システムを採用しましょう。まずは、バランスの取れた評価チームを編成し、多様な視点や、偏りの軽減を図るとともに、包括的な比較を容易にするために定量および定性なデータを入念に収集します。

5. 自社ニーズに合うテスト運行を求める

ベンダーのソリューションを、現場のシナリオや自社事業に関連するデータで提案するよう求めます。デモが適切であることを確認し、ソリューションの実用的な機能、性能、パフォーマンスのプレビューなど貴重な情報を得ます。

6. TCO* を算出する

システム稼働にかかるあらゆるコスト(直接的・間接的)を計上し、TCO を算出します。初期コスト、ハードウェアやソフトウェアのコスト、人件費、追加的な運用リソースとともに、将来的なアップグレード、継続的なメンテナンスの可能性も含めます。

* TCO…「Total Cost of Ownership」の略称で、企業がITシステムを導入する際に必要となる、ソフト・ハードの購入や維持管理にかかわるすべての費用の総額を指す

7. 総合的なリスク分析の実施

技術面、業務面、コンプライアンス面での広範囲にわたる潜在的なリスクを特定し、適切に把握・評価します。SWOTやPESTELのような仕組み化されたフレームワークを活用しリスク分析を行いましょう。リスク発生の可能性と潜在的な影響度に基づいて優先順位を付け、リスク軽減のための戦略を練り上げます。

8. Win-Winの合意を心がける

交渉に際して、譲歩できない要件と柔軟性を明確にし、双方にとって公平な契約を目指しましょう。ベンダーの成功と組織の目標を一致させ、Win-Winの合意を目指します。可能であれば、業績ベースのインセンティブやリスクリワードの共有と報酬の取り決めも検討しましょう。

まとめ: 判断を誤ると生じる損失

適切なAIベンダーを選ぶことは、長期間にわたって影響をもたらす極めて重要な決断です。誤った判断は、リソースの浪費、時間損失、ビジネスチャンスの逃し、企業の革新と競合力維持の妨げになります。

 

不適切な選択による損失は、直接的な金銭的損失だけではありません。

このような複雑な状況下では、コンサルタントのような、第三者の中立的意見、専門知識は非常に貴重であり、偏りのない視点と豊富な知識を基に選定の手順を導いてくれるでしょう。

 

chizokuは、ビジネスリーダーためのAIトレーニングプログラムを通じて、ビジネスリーダーをサポートしています。詳しくは、こちらをご覧ください。

Ichizoku ではAiやテクノロジーに関連する最新情報を発信しています。

あわせて読みたい関連記事 : 「Chat GPTテクノロジー行政業務において日本政府が採用へ

IchizokuはSentryと提携し、日本でSentry製品の導入支援、テクニカルサポート、ベストプラクティスの共有を行なっています。Ichizokuが提供するSentryの日本語サイトについてはこちらをご覧ください。またご導入についての相談はこちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。