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【Visual Studio App Centerが廃止】次に Sentry を勧める理由を解説

Article by: Sarah Guthals

 

Visual Studio App Center が廃止されることは以前から知っていました。正式な廃止日が2025年3月31日と発表され、いよいよカレンダーを見ると2025年。そろそろ App Center の代替案を選定し、他のツールへの移行準備を本格的に進めるべき時期が迫りました。 

*なお、Microsoft は App Center Analytics & Diagnostics 機能に限り、製品サポートを2026年6月30日まで延長する予定です。ただし App Center の他の機能については 2025年3月31日で提供が終了します。移行には綿密な計画と手間がかかりますので、早めに対応を進めることをおすすめします。

この記事ではスムーズな移行に役立つガイドをお届けします。他の参考リソースへのリンクも盛り込んでいますので、ぜひご活用ください。

 

Visual Studio App Center からの移行方法

Visual Studio App Center にはモバイル開発者がよく利用していた5つの主要な機能がありました。それはクラウドベースのビルド、デバイステスト、配布、コードプッシュ、そして分析&診断です。

これらの機能にはそれぞれ推奨される代替ツールがありますが、チームにとってどのツールが最適かを慎重に見極めることが重要です。機能の違いはもちろん、ツールの互換性、API や拡張性、さらにはユーザーエクスペリエンス(UX)も移行のしやすさを大きく左右します。

以下では、App Center の各機能ごとに推奨される代替ツールをご紹介します。

  • クラウドベースのビルド:App Center では、iOS や Android アプリをクラウド上でビルドいる機能が提供されていました。
    • 代替として、Ionic をおすすめします。Ionicは、Cordova や Capacitor、React Native といったフレームワークで開発されたアプリを複雑な手順を踏むことなく、iOS および Android のネイティブバイナリに素早くビルドできます。
  • デバイステスト:実際のモバイル端末を使ってアプリを自動でテストする機能です。 
    • アプリの新しいバージョンをリリースする前に、複数の実機で広範囲にテストすることは非常に重要です。代替として BrowserStack の App Automate をおすすめします。App Automate を使えば様々な環境でのテストが可能となり、テスト実行中の画面を録画したり、クリーンショットを取得したりして、問題点をすぐに特定・修正できます。また、簡単なREST API でアプリを素早くアップロードできるため、重複を防止する運用にも役立ちます。
  • 配布:アプリをテスターやアプリストアに直接配布する機能です。
    • 代替として、SauceLabsのTestFairy をおすすめします。App Center からの移行にも対応しており、信頼性の高いアプリ配布とベータテストの管理ツールとして知られています。
  • CodePush:OTA(Over-the-Air)更新を行う機能です。 
    • 幸い、Microsoft は CodePush をスタンドアロンのサービスとして今後も提供し続ける予定です。すでに CodePush を利用している場合は、設定が正しく構成されているかを確認するだけでそのまま使い続けることができます。代替として Expo の EAS Update もあります。特に expo-updates ライブラリを使用しているプロジェクトでは大いに役立ちます。
  • 分析&診断:クラッシュレポートやユーザーの行動分析などを行う機能です。
    • この領域では、Sentry の導入をおすすめします。(詳細は後述のセクションをご覧ください)。とはいえ、私たちの言葉だけでは信じ難いでしょう。実際、Infinite Red の方々が React Native Radio のポッドキャスト内で App Center の代替として Sentry を推薦してくれています。

 

最後に移行を開始する前に、以下のようなステップを含んだ明確な計画を立てることをおすすめします。

  • 現在の使用状況を確認
    App Center でどの機能をどの程度使用しているかを把握しましょう。現在の設定を理解しておくことで、より適した代替ツールを選択しやすくなります。
  • データのバックアップ
    すべてのデータを安全な場所に保管しましょう。移行中のデータ損失を未然に防ぐためにも、定期的なバックアップが欠かせません。クラウドストレージや外部ドライブを使用して安全に保管してください。 
  • プロジェクトのエクスポート
    App Center から既存のプロジェクトをエクスポートし、新しいプラットフォームでも必要なファイルや設定にアクセスできるよう確認しておきましょう。

プロセスの文書化
現在の開発ワークフローを文書化しておきましょう。これによって、新しいツールに移行した後でもスムーズに作業を再開することができます。



移行のヒント

バックアップやプロジェクトのエクスポートを行う際は、必ずバックアップが完全なものであるか、一貫性が保たれているかを確認し、エクスポートしたデータの整合性も検証しておきましょう。


 

 

Sentry は Visual Studio App Center の代替となるクラッシュ報告ツール

Sentry は複数のプラットフォームでクラッシュ報告、パフォーマンス監視、エラートラッキングなどの機能を提供しており、モバイル開発者にとって信頼できるスタンダードな選択肢となっています。

実際、NuGet Trends のデータによると、App Center の約2倍のダウンロード数を記録しており、多くの開発者に支持されていることがわかります。

  1. クロスプラットフォーム対応
    Sentry はモバイルだけでなく、Webやバックエンド、ゲーム開発など幅広いプラットフォームに対応しており、1つのツールでスタック全体の監視をカバーします。このように統合された監視体制によって、モバイルデバイスからバックエンドサービスに至るまで、アプリ全体のパフォーマンスをたった1つのダッシュボードで把握できるのが大きな魅力です。
  2. 包括的なクラッシュ報告
    Sentry は詳細なクラッシュデータとスタックトレースを記録しておき、エラーの根本原因を素早く特定できるよう支援してくれます。類似するクラッシュは自動的にグループ化され、その影響度合いに応じて優先順位をつけることも可能です。そのため問題を効率的に診断・修正できる詳細なクラッシュ報告を提供します。
  3. パフォーマンス監視
    Sentry のモバイルパフォーマンス監視では、モバイルアプリとバックエンド全体にわたるエンドツーエンドのトレーシングが可能です。アプリのパフォーマンスや遅延、ボトルネックの発生箇所を把握でき、UIの反応が遅い箇所やトランザクションの遅延もすぐに特定できます。ユーザー体験の向上にも大いに役立つ機能の一つです。
  4. モバイル用セッションリプレイ
    Sentry の注目ポイントのひとつがモバイル用のセッションリプレイ機能です。これを使えば、ユーザーがクラッシュや不具合の発生前にアプリ上でどのような操作をしたのか再生して確認することができます。開発環境で再現が難しいバグにも対応しやすくなり、デバッグにかかる時間を短縮し、全体的なユーザー体験を向上させます。
  5. コスト効率とスケーラビリティ
    Sentry は、利用状況に応じた透明性のある料金体系を採用しています。アプリがスケールしても思わぬ追加費用が発生する心配は必要ありません。プランによっては、チームメンバー数に制限がないため、スタートアップから大企業まで、Sentry の価格設定とスケーラビリティはあらゆるビジネスサイズに適しています。

 

Sentry では App Center で使用していたすべての主要な機能(クラッシュ報告、パフォーマンス監視、ユーザーフィードバック)をサポートするシンプルな設定を提供しています。現在のワークフローを変えることなく移行できるので切り替えの負担も最小限に抑えられます。

さらに強力なエラーグルーピングと詳細なレポート機能により、新しく導入する場合でもすぐに本格的な監視を始めることができます。

Get started

 

Sentryのモバイル開発者向けの始め方

どのモバイルフレームワークを使用している場合でも、Sentry はスムーズに統合できるような丁寧なガイドとツールを提供しています。

主要なモバイルフレームワークと Sentry を統合するための基本的な手順をご紹介します。

 

React Native

セットアップ

npm または yarn で Sentry React Native SDK を追加します。iOSとAndroidの両方を統合する手順に従ってください。

インストール

設定

確認

関連資料とコンテンツ

ヒント

より正確なスタックトレースと円滑なデバッグのために、バンドラーでソースマップを設定することをお忘れなく!

 

Android

セットアップ

Androidでの利用を開始するには、ウィザードを使ってプロジェクトに Sentry SDK をインストールし、クラッシュレポートの設定を行います。

インストール

設定

確認

関連資料とコンテンツ

ヒント

カスタムコンテキストカスタムタグを設定することで、アプリケーション特有のデータを収集できるようになります。重要なユーザーフローのデバッグに役立つ、より深いインサイトが得られます。

 

iOS

セットアップ

iOS SDK は、CocoaPods または Swift Package Manager を使って簡単に統合できます。クラッシュやパフォーマンスデータの収集に向けた手順に沿ってセットアップを進めましょう。

インストール

設定

確認

関連資料とコンテンツ

ヒント

クラッシュに至るまでの経緯を詳しく改善するために、Breadcrumbs(パンくずリスト)機能を活用してみましょう。

 

.NET MAUI

セットアップ

.NET開発者向けに、Sentry は MAUI アプリケーション用のSDKを提供しています。これにより、iOS と Android の両方でクラッシュレポートをシームレスに取得することが可能になります。

インストール

設定

確認

関連資料とコンテンツ

ヒント

スクリーンショット機能を有効にすると、エラーと合わせて画面の状況を Sentry 上で確認でき、より詳細なデバッグが可能になります。

 

.NET Xamarin

セットアップ

MAUI だけでなく Sentry は Xamarin アプリケーション(iOS、Android、Tizen、Windows の UWP アプリ)にも対応しています。

インストール

Xamarin.Formsを使用している場合

Xamarin.Formsを使用しない場合

設定

以下の初期化コードは、できるだけ早いタイミングで実行されるように関連するメソッド内に配置する必要があります。例えば、Android の MainActivity の OnCreate の開始部分や、iOS の AppDelegate の FinishedLaunching の冒頭に記述してください。

確認

SDKは自動的に AppDomain.UnhandledException や Application.UnhandledException を処理します。

関連資料とコンテンツ

 

Flutter

セットアップ

Sentry Flutter SDK を使用して、iOS および Android 両方のアプリでクラッシュやエラー、パフォーマンスデータを自動的にキャプチャできます。

インストール

設定

確認

関連資料とコンテンツ


ヒント

リリース情報を SDK に設定すると、Sentry 側で問題の識別や切り分けがしやすくなります。

 

モバイル開発者の次のステップ

2025年に Visual Studio App Center のサービスが終了する予定です。そのためモバイル開発者の皆さんは、クラッシュレポートやパフォーマンスモニタリングなどを引き続き活用するために、新しいソリューションへの移行計画を立てることが重要です。

Sentry は App Center がこれまで提供してきた機能を超える、強力で柔軟な代替手段を提供しています。

React Native/Expo.NET MAUIFlutterAndroidiOSといった主要なモバイルフレームワークにも対応しており、クラッシュレポートやパフォーマンスモニタリングもスムーズに移行できます。さらに Sentry にはモバイル向けセッションリプレイ機能など、問題の特定や解消を迅速に行えるような機能も備えています。

Check out the workshop

 

サービス終了の瞬間まで待たず、今すぐ準備を始めてみませんか?

Sentry なら手軽にセットアップでき、明確な価格設定、そして豊富な機能を通じて App Center の終了後もアプリを健全に保ち続け、ユーザーにより良い体験を届けることができます。

このガイドに掲載されている各種リソースもぜひご覧ください。移行の手順をしっかりサポートしてくれるはずです。

新年を迎えるにあたり、アプリの未来に向けたこの移行ステップは最適なタイミングと言えます。また、移行に関する相談や質問ができるDiscordのサポートスレッドもご用意しています。ぜひお気軽にご参加ください。

 


 

IchizokuはSentryと提携し、日本でSentry製品の導入支援、テクニカルサポート、ベストプラクティスの共有を行なっています。Ichizokuが提供するSentryの日本語サイトについてはこちらをご覧ください。またご導入についての相談はこちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。

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